助動詞 can / could の意味、使い方について学習します。
can には可能・能力、可能性、否定の推量、強い疑い、許可、依頼などがあり、can の過去形 could は能力の過去、推量以外にも、丁寧な許可、依頼の意味でも使われます。また can / could を使ったさまざまな慣用表現もあります。
can / could の使い方を確認、問題にもチャレンジしてみましょう。
助動詞 can の意味・使い方・例文
助動詞 can は 可能・能力、可能性、否定の推量、強い疑い、許可、依頼などの意味を表すことがあります。
- 基本形「can + 動詞の原形」
- 否定文「cannot + 動詞の原形」/短縮形「can‘t + 動詞の原形」
- 疑問文「Can + 主語 + 動詞の原形 ~?」
助動詞 can の用法1. 可能・能力
助動詞 can は、可能・能力(~できる)を表すときに使われます。(= be able to)
- He can play not only the bass , but also the guitar.(彼はベースだけでなく、ギターも弾ける。)
- Can you stand on your head?(逆立ちできる?)
助動詞 can の用法2. 可能性
助動詞 can は可能性(~することがありえる)を表すことがあります。
- Anyone can make a mistake.(誰でも間違いをする可能性があります。)
助動詞 can の用法3. 否定の推量
助動詞 can は否定文で否定の推量(~するはずがない)を表すことがあります。【cannot[can’t] + have + 過去分詞】で「~したはずがない」と過去の否定推量を表します。
- He cannot be the criminal.(彼が犯罪者であるはずがない。)
- She cannot have told a lie.(彼女が嘘を言ったはずがない。)
助動詞 can の用法4. 疑問文で不信・強い疑い
助動詞 can は疑問文で不信・強い疑い(~であるはずがあろうか)を表すことがあります。
- Can it be the best way?(それが一番いいやり方なのだろうか。)
助動詞 can の用法5. 許可
助動詞 can は許可(~してよい)を表すことがあります。
- You can use this room anytime.(この部屋はいつでも使ってよいですよ。)
- Can I borrow your pen?(ペンを借りてもいいですか。)
助動詞 can の用法6. 依頼
助動詞 can は Can you ~?の形で相手への依頼(~してくれませんか)を表すことがあります。
- Can you help me with my homework?(宿題を手伝ってくれる?)
助動詞 could の意味・使い方・例文
助動詞 could は can の過去形です。過去の能力、可能性、推量、丁寧な許可・依頼などの意味で使われます。
- 基本形「could + 動詞の原形」
- 否定文「could not + 動詞の原形」/短縮形「couldn‘t + 動詞の原形」
- 疑問文「Could + 主語 + 動詞の原形 ~?」
助動詞 could の用法1. 過去の能力
助動詞 could は、過去の能力(~できた)を表すことがあります。
- He could hear the sound.(彼はその音が聞こえた。)
- He thought nobody could answer the question.(彼はその質問に誰も答えられないと思った。)
※ 「時間通りに到着できた」ような、その場限りの可能の意味ではcould は使えません(否定文はOK)。
助動詞 could の用法2. 可能性・推量
助動詞 could は可能性・推量(~かもしれない)を表すことがあります。【could + have + 過去分詞】の形で「~したかもしれない」と過去の推量を表せます。否定だと「~するはずがない」の意味になります。
- I could be wrong.(私は間違っているのかも。)
- He couldn’t have done such a thing.(彼がそんなことしたはずがない。※)
※【cannot[can’t] + have + 過去分詞】と同じ訳し方になります。
助動詞 could の用法3. 仮定法
助動詞 could は現在の能力・可能の仮定(…なら~できるだろう)を表すことがあります(仮定法)。【could + have + 過去分詞】の形で「~できただろうに」と過去の仮定を表せます。
- If I were rich, I could a new car.(お金持ちなら新車を買えるのに。)
- I wish I could have been there.(そこに行けたら良かったのに。)
助動詞 could の用法4. 丁寧な許可・依頼
Could I ~?で丁寧な許可(~してもよいでしょうか。)、Could you?で丁寧な依頼(~していただけますか。)を表します。いずれも can を使うより丁寧な言い回しになります。
- Could I use this pen?(このペンを使ってもよろしいでしょうか。)
- Could you reply to this email?(このメールに返信していただけますか。)
他にも丁寧な提案、許可などの意味でも使われます。
助動詞 can, could を使った慣用表現
・can/could not help ~ing(~せざるをえない/~せざるをえなかった)
(例)I can’t help loving you.(あなたを愛さずにはいられない。)
・can/could not help but + 動詞の原形(~せざるをえない/~せざるをえなかった)
(例)I can’t help but love you.(あなたを愛さずにはいられない。)
・cannot 動詞の原形 too(いくら~してもしすぎることはない)
(例) You cannot study too much.(いくら勉強しすぎてもしすぎることはありません。)
・can/could do nothing but(~するより他はない/なかった)
(例) We could do nothing but return home.(私たちは家に帰るしか他はなかった。)
会話表現では (It) couldn’t be better.(最高だよ。)などもよく聞かれます。
【問題編】助動詞 can / could の使い方・慣用表現
問1 次の英文を日本語に直しなさい。
(1) Anyone can make a mistake.
(2) What he said cannot be true.
(3) He could hear the sound.
(4) Could you reply to this email?
(5) When you drive a car, you can’t be too careful.
問2 次の日本語の文に合うように、( )内に適切な英語を入れなさい。
(1) このメールに返信していただけますか。
( )( )reply to this email?
(2) 彼女が嘘を言ったはずがない。
She( )( )( )a lie.
(3) 私は笑わずにはいられなかった。
I ( )( )laughing.
= I ( )( )( )laugh.
(4) 私たちは家に帰るしか他はなかった。
We( )( )( )( )return home.
まとめ
助動詞 can, could の意味・使い方や、慣用表現について学習してきました。
can, could は可能や可能性、許可以外にも、推量(特に否定)、仮定法、また慣用表現でもよく使われています。いろいろな can, could の用法を覚えておきましょう。
助動詞についてもっと勉強したい方は次の記事を参考にしてみてください。