使役動詞 make, let, have と、使役の意味でも使われる get, help のまとめと問題です。
- 「使役の動詞、意味に違いはあるの?」
- 「使役と原形不定詞の文を受動態にすると?」
- 「現在分詞、過去分詞、原形不定詞が使えるのはそれぞれどれなの?」
という方におすすめの内容です。
使役動詞 make, let, have
使役動詞 make, let, haveについて解説します。
使役動詞 make
使役動詞makeは、
- make+目的語+原形不定詞
- make+目的語+過去分詞
の形で使われます。
make+目的語+原形不定詞
【make+目的語(人)+原形不定詞】の形で、「人に強制的に(無理やり)~させる」という意味になります。
- Mr. Sato made him go back home.
(佐藤先生は彼を家に帰らせた。) - My mother made me clean up my room.
(母は私に部屋の掃除をさせた。)
上の文を受動態にするときはtoが使われます。
Mr. Sato made him go back home.
⇒ I was made to go back home by Mr. Sato.
make+目的語+過去分詞
【make+目的語+過去分詞】の形で「~してもらう」の意味で使われることがありますが、過去分詞にはunderstood, known, heard などに限られます。
- I couldn’t make myself understood in Chinese.
(私の中国語が通じなかった。)
使役動詞 let
使役動詞letは、
- let+目的語+原形不定詞
の形で使われます。
letでは目的語の後に分詞が使われません。また受け身(受動態)にもなりません。
let+目的語+原形不定詞
【let+目的語(人)+原形不定詞】の形で、「人に(やりたいことを)~させる」という意味になります。強制的ではありません。
- My father let me see the ring.
(父は私にその指輪を見せてくれた。) - I’ll let him know.
(彼に知らせとくよ。)
【let+人+know】で「人に知らせる」の意味になります。
使役動詞 have
使役動詞haveは、
- have+目的語+原形不定詞
- have+目的語+過去分詞
- have+目的語+現在分詞
の形で使われます。受け身(受動態)にはできません。
have+目的語(人)+原形不定詞
【have+目的語(人)+原形不定詞】の形で、「人に~してもらう」という意味になります。(makeの方がより強制的です。)
- I had my brother fix the bike.
(兄に自転車をなおしてもらった。)
have+目的語+過去分詞
【have+目的語+過去分詞】で「~してもらう(使役)」「~される(被害)」などの意味を表します。
- I had my bike fixed. [使役]
(自転車をなおしてもらった。) - I had my wallet stolen. [被害]
(財布を盗まれた。)
have+目的語+現在分詞
【have+目的語(人)+現在分詞】で「人・物を~にさせておく、人に~させる」の意味を表します。
- I can’t have you telling such a thing.
(あなたにそんなこと言わせたりしません。)
使役のgetとhelp
get、helpは厳密には使役動詞ではありませんが、使役のように使われることがあります。
使役のget
使役のgetはhaveと同じような意味で
- get+目的語+to不定詞
- get+目的語+過去分詞
- get+目的語+現在分詞
の形で使われます。
get+目的語+to不定詞
【get+目的語(人)+原形不定詞】の形で、「人に~してもらう」「(勧めて、説得して)~させる」という意味になります。
・I got him to sign the contract.
(私は彼に契約書にサインしてもらった。)
getでは原形不定詞は使われません。
get+目的語+過去分詞
【get+目的語+過去分詞】でhaveと同じように「~してもらう(使役)」「~される(被害)」の意味を表します。
- She got her nails done.【使役】
(彼女はネイルをしてもらった。) - He got his wallet stolen.
(彼は財布を盗まれた。)【被害】
getで被害を表すとhaveより自分(主語)に原因があることをほのめかしています。
get+目的語+現在分詞
【get+目的語+現在分詞】でも使われ、「…を~させる」の意味になります。
- He got the machine working.
(彼は機械を作動させた。)
使役のhelp
使役のhelpは
- help+目的語+原形不定詞(to不定詞)
の形で使われます。
help+目的語+原形不定詞
【help+目的語+原形不定詞】で「人が~するのを手伝う、促す」の意味になります。
to不定詞も使われますが、 口語では原形不定詞が一般的です。
- He helped me (to) carry my luggage.
(彼は私が荷物を運ぶのを手伝ってくれた。)
※目的語(人)なしで、原形不定詞がhelpの後に続くこともあります。
【問題編】使役動詞 make, let, haveとget, help
次の日本語の意味に合うように、( )に適切な英語を入れましょう。(答えは▶をクリック)
問1 佐藤先生は(強制的に)彼を家に帰らせた。
Mr. Sato( )( )( )back home.
問2 佐藤先生は彼を家に帰らせた(許可した)。
Mr. Sato( )( )( )back home.
問3 彼にそのことを知らせておきます。
I’ll( )( )( )about that.
問4 私の中国語が通じなかった。
I couldn’t make myself( )in Chinese.
問5 兄に自転車をなおしてもらった。
I( )( )( )fix the bike.
問6 兄に自転車をなおしてもらった。
I( )( )( )( )fix the bike.
問7 私は自分の部屋を掃除させられた。
I was made( )( )up my room.
問8 財布を盗まれた。
I ( )my wallet ( ).
問9 彼は私が荷物を運ぶのを手伝ってくれた。
He( )( )( )my luggage.
問10 彼は機械を作動させた。
He got the machine( ).
参考URL: weblio英和辞典・和英辞典
まとめ
getだけは原形不定詞が使えないので注意しましょう。
現在分詞も過去分詞も使えるのはhaveとget。makeは過去分詞も使えますが使われる過去分詞は限定的です。
- make+目的語+原形不定詞「人に強制的に(無理やり)~させる」
- make+目的語+過去分詞(understood, understood, known, heard など)「~させる、してもらう」
- let+目的語+原形不定詞「人に(やりたいことを)~させる」
- have+目的語+原形不定詞「人に~してもらう」
- have+目的語+過去分詞「(物を)~してもらう、される」(使役・被害)
- have+目的語+現在分詞「人・物を~にさせておく、人に~させる」
- get+目的語+to不定詞「人に~してもらう」
- get+目的語+過去分詞「(物を)~してもらう、される」(使役・被害)
- get+目的語+現在分詞「…を~させる」
- help+目的語+原形不定詞(to不定詞)「人が~するのを手伝う、促す」