今回は命令文の話法の転換について学習します。
命令文には一般的な命令文、禁止の命令文、please +命令文、Let’s ~、また命令文+and, or ~などがあり、それぞれによって話法の転換のしかたが異なります。伝達動詞によって不定詞を用いる場合と接続詞 that を使う場合があるので、書き換え問題で注意が必要です。
命令文の話法の転換のコツを例文とともに確認、練習問題にもチャレンジしてみましょう。
命令文 話法の転換のコツと例文
“命令文” が使われている直接話法を間接話法に転換するとき、tell、advise、ask、suggest などの伝達動詞が用いられます。代名詞や時制、副詞句も話者の立場によって書き換えが必要です。
▼副詞(句)、指示代名詞 の変換について詳しくはコチラ
命令文のタイプによって使われる伝達動詞が異なります。具体的な書き換え方のコツを例文とともに確認していきましょう。
一般的な命令文は tell 人 to
一般的な命令文が使われている直接話法を間接話法に書き換えるときは、【tell 人 to do】が使われます。
例文
My father said to me, “Wipe the windows. ”
→ My father told me to wipe the windows.
(私の父が私に窓を拭くように言いました。)
命令文の直接話法から間接話法へ書き換えるとき、said to me → told me にし、不定詞( to wipe )を使っています。
例文
・She said to him, “Carry my bag.”
→ She told him to carry her bag.
(彼女は彼に彼女の荷物を運ぶように言った。)
上の例では間接話法への書き換えで代名詞も変化しています。
直接話法では “Carry my bag.”「私のバッグを運んでください。」ですが、間接話法では話者にとって my bag(私のバッグ=話者のバッグ)ではなく her bag(彼女のバッグ)になります。
他にもcommand(命令する)、request(要求する)、advise(助言する、忠告する)などが伝達動詞に使われます。
例文
Mr. Morikawa said to me, “Study for at least three hours a day.”
→ Mr. Morikawa advised me to study for at least three hours a day.
(森川先生が彼に1日少なくとも3時間は勉強するようにと助言した。)
禁止の命令文は tell 人 not to
禁止の命令文 Don’t ~が使われている直接話法を間接話法に書き換えるときは、【tell 人 not to do】が使われます。
例文
・She said to me, “Don’t be late again.”
→ She told me not to be late again.
(彼女が私にまた遅刻しないようにと言いました。)
please + 命令文は ask 人 to
Please を用いた命令文や、依頼の Will you ~?/ Would you ~?が使われている直接話法を間接話法に書き換えるときは、【ask 人 to do】が使われます。
例文
・He said to her, “Please go out with me.”
→ He asked her to go out with him.
(彼は彼女に付き合ってくれるよう頼んだ。)
・He said to her, “Will you marry me?”
→ He asked her to marry him.
(彼は彼女に結婚してくれるよう頼んだ。)
依頼の Will you ~?と、単なる未来の疑問文 Will you ~?を区別しましょう。
▼疑問文の話法の転換はコチラ
Let’s ~ は suggest (propose) that
Let’s ~が使われている直接話法を間接話法に書き換えるときは、提案を表す【suggest (propose) that節】が使われます。この that 節は「主語+(should)+動詞の原形」になります。
例文
・Tomoaki said to me, “Let’s go for a drink.”
→ Tomoaki suggested (that) we (should) go for a drink.
(トモアキが私に飲みに行くことを提案した。)
時制の一致で Tomoaki suggested that we went go for a drink. と考えないようにしましょう。( suggest した時点で飲みには行っていません。)
命令文+and /or ~ の話法転換
命令文+and /or ~ の話法転換で、tell that if ~を用いた書き換えができます。
命令文+and の話法転換
命令文+and …「~しなさい、そうすれば…」が使われている直接話法の文を書き換えるときは、【tell that if ~】を使います。このとき間接話法で and は使いません。
例文
・My father said to me, “Study hard, and you will pass the exam.”
→ My father told me that if I studied hard I would pass the exam.
(一生懸命勉強すれば試験に受かる、と父が私に言いました。)
間接話法への書き換えで、if の後は主語の I が補われ、時制の一致で study と will の過去形(studied, would)が使われています。and は使っていません。
命令文+or ~ の話法転換
命令文+or …「~しなさい、さもないと…」が使われている直接話法の文を書き換えるときは、【tell that if 主語 ~not +動詞】を使います。if 節では「~しなければ」という否定の表現を使い、or を使いません。
・His father said to him, “Study hard, or you will fail the exam.”
→ His father told him that if he didn’t study hard he would fail the exam.
(一生懸命勉強しないと試験に落ちる、と彼の父が彼に言いました。)
命令文 の話法の転換 書き換え問題
問 次の英文の意味がほぼ同じになるように、( )内に適切な英語を入れなさい。
(1) My father said to me, “Wipe the windows. ”
My father told( )( )( )the windows.
(2) She said to him, “Carry my bag.”
She told( )( )( )( )bag.
(3) Mr. Morikawa said to me, “Study for at least three hours a day.”
Mr. Morikawa advised( )( )( )for at least three hours a day.
(4) She said to me, “Don’t be late again.”
She( )me( )( )( )late again.
(5) He said to her, “Will you marry me?”
He( )her( )marry( ).
(6) Hisashi said to me, “Please help me with my homework.”
Hisashi ( ) me( )( )( )with( )homework.
(7) He said to me, “Let’s go for a drive.”
He( )( )( )for a drive.
(8) My father said to me, “Study hard, and you will pass the exam.”
My father told me that( )( )( )hard ( )( )pass the exam.
(9) His father said to him, “Study hard, or you will fail the exam.”
His father told him that ( )( )( )( )hard ( )( )fail the exam.
話法転換(命令文 )のコツ まとめ
命令文の話法転換のしかたとコツについて確認してきました。
基本は「tell 人 to」で書き換え、禁止は to の前に not を、依頼は tell ではなく ask を使います。ただしLet’s ~ はsuggest や propose を使いますが、不定詞ではなく「that+主語+動詞の原形」となるので注意しましょう。
【命令文の話法転換ポイント】
・一般的な命令文は tell+人+to do
・禁止の命令文は tell+人+not to do
・依頼(Please ~. や Will you ~? などは ask+人+to do
・ Let’s ~ は suggest (propose) that+主語+動詞の原形
・命令文, and → tell 人 that if / 命令文, or → tell 人 that if ~ not
tell 以外に command、request、advise なども使われます。必要に応じて代名詞や副詞句も書き換えましょう。