今回は強調構文 It is/was ~ that …を用いた表現についてまとめました。
It is ~ that …の強調構文の訳し方と作り方・書き換え、疑問詞のある強調構文、It is because ~ that … の強調構文、形式名詞の It is ~ that … との違いと見分け方について、例文とともに見ていきます。最後に理解できたかチェックするための確認問題もあります。
強調構文 It is/was ~ that … 例文と訳し方
「It is/was ~ that(who, whom, which)…」の形で「…するのは~です(…したのは~でした)」と訳します。
・It is you that I love.(僕が愛しているのは君です。)
・It was this bag that I bought yesterday.(私が昨日買ったのはこのバッグです。)
・It was he that helped me then.(そのとき助けてくれたのが彼でした。)
・It was yesterday that I went to see the movie.(私が映画を見に行ったのは昨日です。)
・Was it you that broke the window?(窓を割ったのは君だったの?)
疑問詞を用いた強調構文
疑問詞の強調構文もあります。「~する(した)のは誰ですか、何ですか、なぜですか」のように訳します。
・Who was it that ate my cake?(私のケーキを食べたのは誰なの?)
・What is it that you want?(あなたが欲しいものは何ですか。)
・Why is it that he can speak five languages?(彼が5ヶ国語を話せるのはなぜなのですか。)
It is because ~ that … の強調構文
「 … するのは~だからです」と理由を強調したいとき、【It is because ~ that …】で表現することができます。
・It is because I love you that I’m with you.(君といるのは君を愛しているからさ。)
・It is because I was lucky that I passed the entrance exam.(僕が入試に合格したのはラッキーだったからだ。)
強調構文の作り方と書き換え
「It is/was ~ that …」の強調構文を作るときは、強調したいものを「~」に置きます。「…」が過去形なら is が was になります。
that の代わりに「~」が人なら who、物なら which が用いられることもあります。thatが省略されることもあります。
基本の強調構文の書き換え
下の英文を用いて強調構文を作ってみましょう。
My brother won the speech contest last year.(私の兄は昨年弁論大会で優勝しました。)
過去形の文なので was を用いて強調構文を作ります。「It was ~ that …」の「~」の部分に強調したい語句を置き、残りの語句を that 以下「…」に元の文と同じ語順で並べます。
My brother を強調したければ、
My brother won the speech contest last year.
→ It was my brother that won the speech contest last year.(昨年弁論大会で優勝したのは私の兄でした。)
the speech contest を強調したければ、
My brother won the speech contest last year.
→ It was the speech contest that my brother won last year.(昨年兄が優勝したのは弁論大会でした。)
the speech contest が It was の直後に来ただけで、他の語は元の語順で that の後に並べます。
last year を強調したければ、
My brother won the speech contest last year.
→ It was last year that my brother won the speech contest.(兄が弁論大会で優勝したのは昨年のことです。)
疑問詞のある強調構文の書き換え
疑問詞のある文で疑問詞が主語になっているときは、疑問詞の後に「is/was it that」を入れるだけで作れます。
Who ate my cake?
→ Who was it that ate my cake?(私のケーキを食べたのは誰なの?)
疑問詞が主語でないときは、that 以下の語順を普通の文の語順と同様に直す必要があります。
What do you want?
→ What is it that you want?(あなたが欲しいものは何ですか。)
Why can he speak five languages?
→ Why is it that he can speak five languages?(彼が5ヶ国語を話せるのはなぜなのですか。)
形式主語の文と強調構文の違いと見分け方
「It is ~ that …」の英文には形式主語 it を用いたものもあります。
形式主語構文と強調構文の違い
形式主語構文 → 「It is」「that」を省くと文が成り立たない、that 以下の文がそれのみでも成り立つ完全な文
強調構文 → 「It is」「that」を省いても文が成り立つ、that 以下が不完全な文
以上をふまえて次の2つの「It is ~ that …」構文が形式主語なのか強調構文なのか確かめてみましょう。
It is necessary that we learn English.
It is English that we learn.
まず、1の文から「It is」「that」を省くと、「necessary we learn English.」になり、necessary をどこに置いても文がおかしくなります。この文は形式主語構文です。(意味は「私たちが英語を学ぶことは必要です。」)
2の文から「It is」「that」を省くと、 「English we learn.」になり、SVOの語順にすれば「We learn English」になって意味が通じます。したがって2の文は強調構文です。(意味は「私たちが習っているのは英語です。」)
※ ただし疑問詞を使った強調構文では単純に「It is」「that」を省いても文が成り立つとは限りません。
Who was it that ate my cake?
→ Who ate my cake?(成り立つ)
Why is it that he can speak five languages?
→ Why he can speak five languages?(he canを can he の語順にしないといけない)
【問題編】強調構文と強調表現
問1 次の英文を[ ]内の語句を強調した英文に書き換え、日本語に訳しなさい。(必ず itで始めること。)
(1) I bought this dress at the department yesterday.[ this dress ]
(2) Kei won the first prize.[ Kei ]
(3) I ran into my old friend at the station.[ at the station ]
(4) Because I was lucky, I succeeded.[ Because I was lucky ]
問2 次の文を it を用いた強調構文にして日本語に訳しなさい。
(1) Who ate my cake?
(2) What do you want?
問3 次の日本語の意味に合うように、[ ]内の語を並べ替えて英文を完成させなさい。
(1) 私が昨日買ったのはこのバッグです。
[ bag, bought, I, it, that, this, yesterday, was ].
(2) 私が姉からもらったのは素敵な着物でした。
[ a fabulous kimono, from, I, It, received, that, was, my sister ].
(3) 私が映画を見に行ったのは昨日です。
[ yesterday, it, that, I, was, went, see, the movie, to ].
(4) 窓を割ったのは君だったの?
[ broke, it, you, was, the window, that ]?
(5) 彼が5ヶ国語を話せるのはなぜなのですか。
[ can, five languages, he, is, it, that, speak, why ]?
まとめ
強調構文の作り方と書き換え、訳し方、形式主語との見分け方について確認してきました。
強調したい語句を It is/was の直後に置けば、あとは残りの語句を that 以下に並べていくのがポイントです。
I love you. の you を強調
→ It is you that I love.
疑問詞のある強調構文の作り方も覚えておきましょう。(疑問詞の後に is/was it that が入るのがポイント。)
Who ate my cake?
→ Who was it that ate my cake?