今回は前置詞のある関係代名詞(which/whom)について学習します。なぜ前置詞と関係代名詞を用いるのか、前置+関係代名詞の例文と訳し方について解説、最後に問題もありますので、前置詞+関係代名詞の基本をマスターできたか確認してみましょう。
なぜ in which(前置詞+関係代名詞)になるの?
「フランスは私が訪れたい国です」と言いたいとき、下の英文で表すことができます。
France is the country which I want to visit.(which は省略可能。)
「フランスは私が住みたい国です」と言いたいとき、下の英文では何かおかしいことになります。
France is the country which I want to live.(×)
I want to live the country. という表現ができれば上の文でも良いのですが、ふつう「~に住む」というとき live in と in が必要になります。
France is the country. と、I want to live in it (=the country). をつなげるときは、
France is the country in which I want to live.
と関係代名詞の前に前置詞を置いてつなげるようにします。
このように動詞+前置詞の目的語が先行詞となっているとき、目的格の関係代名詞 which や whom の前に前置詞が置かれることがあります。
上の例文では「be born in」が使われているため in which となりましたが、動詞や先行詞に合わせて at which、 on which、to which などさまざまなパターンが使われます。適切な前置詞+which/whom の形にするのがポイントです。
さらに下の例文のように前置詞を動詞の後に置いたままにすることもあります。前置詞を関係代名詞の前に置く方がフォーマルな表現です。
France is the country which I want to live in .
上で紹介した例文は、関係副詞 where を使って書き換えることもできます。
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前置詞+which の例文と訳し方
先行詞が物で、関係詞節の前置詞の目的語になっているとき、前置詞+whichが使われることがあります。前置詞+which が使われた、例文を見てみましょう。ほとんどの場合で前置詞はあまり意識せずに訳して良いです。
・Tokyo is the city in which I lived.(東京は私が住んでいた街だ。)
・The hotel at which we stayed is near the beach.(私たちが滞在したホテルはビーチの近くにある。)
・The second Monday of October is the day on which we celebrate Sports Day.(10月の第2月曜日は、体育の日です。)
・Tell me the reason for which you were late.(何の理由で遅刻したのか教えなさい。)
上の例文で in which, at which は関係副詞 where に、on which は when に、for which は why に書き換えることができます。
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前置詞+whom の例文と訳し方
先行詞が人で、関係詞節の前置詞の目的語になっているとき、前置詞+whom が使われることがあります。前置詞+whom が使われた、例文を見てみましょう。こちらの場合でも前置詞はあまり意識せずに訳して良いです。
・The man with whom Hiroshi is talking is my brother.(博が話している男性が私の兄です。)
・She is the person to whom I send the letter.(彼女が私が手紙を送った人です。)
・Toshi is the singer for whom I have a great respect.(トシは私がとても尊敬している歌手です。)
前置詞+関係代名詞の注意点
前置詞+関係代名詞の注意点を確認しておきましょう。
前置詞+ that/who は使われない
前置詞+関係代名詞で使われる関係代名詞は、目的格の関係代名詞 which と whom であり、前置詞+ that や 前置詞+ who の形では使われません。
関係代名詞は省略できない
前置詞+関係代名詞の形では関係代名詞は省略できません。前置詞を動詞の後に置いた場合は省略できます。
・France is the country in I want to live.(×)
・France is the country (which) I want to live in.(○)
所有の of which との違い
所有格の関係代名詞 whose と同じように、先行詞がもののときは前置詞の of + which が使われることがあります。所有のof which は上で紹介した前置詞+関係代名詞の文と異なり、which の後は主語のない不完全文です。
・I see the mountain the top of which is covered with snow.(頂上が雪で覆われた山が見えます。)
【問題編】前置詞+関係代名詞(which/whom)
問1 次の日本語の文に合うように、( ) 内に適切な英語を入れなさい。
(1) 私たちが滞在したホテルはビーチの近くにある。
The hotel ( )( ) we stayed is near the beach.
(2) フランスは私が生まれた国です。
France is the country ( )( )I was born.
(3) 博が話している男性が私の兄です。
The man ( )( ) Hiroshi is talking is my brother.
問2 文法的に正しいものをア~カの中からすべて選びなさい。
ア Paris is the city in which I want to live.
イ Paris is the city in I want to live.
ウ Paris is the city which I want to live.
エ Paris is the city which I want to live in.
オ Paris is the city I want to live in.
カ Paris is the city in that I want to live.
まとめ
前置詞+目的格の関係代名詞(which/whom)について確認してきました。
前置詞の目的語が先行詞になる場合は、関係代名詞の前に前置詞を置かれることがあります。このとき関係詞節の動詞と先行詞をつなげるのに、適切な前置詞を選ぶようにします。
前置詞+that は使えないので注意してください。また前置詞+関係代名詞の形では関係代名詞は省略できませんが、前置詞を動詞の後に置いた場合は省略可能です。