今回は関係代名詞の主格・目的格について学習します。
関係代名詞を使った英文の作り方と訳し方、who, which, thatの使い分け、主格と目的格の見分け方を例文とともに解説、最後に関係代名詞(主格・目的格)の問題もあります。
関係代名詞を使った英文をどう訳したらいいかわからない、日本文を関係代名詞を使って英文に直すのが苦手、関係代名詞を基礎から復習したいという人はぜひ参考にしてください。基礎はわかっているという人は見分け方や問題編から読み進めてください。
関係代名詞【主格】
I have a friend who lives in Osaka.(私は大阪に住んでいる友だちがいる。)
The pen which is on the desk is Ken’s.(机の上にあるペンはケンのものだ。)
The dog that has long ears is Alex.(その長い耳の犬はアレックスです。)
主格の関係代名詞ではwho, which, thatが使われます。関係代名詞の節(上の英文で太字の部分)が直前にある名詞を修飾します。
上の英文で赤字の部分の名詞を先行詞といいます。主格の関係代名詞whoは先行詞が人のときは、whichは物・動物のとき、thatは人、もの、動物のときに使われます。
関係代名詞を使って2文を1文にする
I have a friend.(私は友だちがいます。)…(1)
He is from Canada.(彼はカナダ出身です。)…(2)
上の2つの英文を関係代名詞を使って1つの文にします。
(1)のa friendと(2)のHeは同じ人を指し、a friendが先行詞になります。
heの代わりに関係代名詞who(またはthat)を使い、先行詞の直後に(2)の文を入れます。
I have a friend who is from Canada.(私はカナダ出身の友だちがいます。)
次の2文も関係代名詞を使って1つの文にしてみましょう。
The boy is George(その少年はジョージだ。)…(1)
He has blue eyes.(彼は青い瞳をしている。)…(2)
(1)のThe boyと(2)のHeは同じ人を指し、The boyが先行詞に、Heは関係代名詞who(またはthat)に書き換えて1つの文にまとめます。
※GeorgeもThe boyやHeと同一人物ですが、ここで学習する関係代名詞(制限用法)では固有名詞を先行詞にできません。
(2)の文は関係代名詞を使って、(1)の先行詞の直後に入れます。したがって、
The boy who has blue eyes is George.(青い瞳をしているその少年はジョージだ。)
こちらは間違いです→The boy is George who has blue eyes. (×)
This is the book.(これがその本です。)
It made me happy.(それは私を幸せにした。)
上の2文をwhichを使って1文にすると、
This is the book which made me happy.(これが私を幸せにした本です。)
になります。「この本を読んで幸せな気分になった」ということですね。
関係代名詞を使って2文を1文にするときのコツは、まず先行詞を探すこと、2番目の文の主語を関係代名詞にして、先行詞の直後に文を入れることです。
関係代名詞(主格)の訳し方
I have a friend who is from Canada.
この文を日本語に訳してみます。この英文の関係代名詞はwho、先行詞はa friendです。
まず関係代名詞の節に( )をつけます。
I have a friend (who is from Canada).
( )以外の文を訳すと「私は友達がいる」になります。
( )内を訳すと「カナダ出身です」になります。
先行詞がa friend(友達)なので、「私は友達がいる」の「友達」の直前に「カナダ出身です」を入れて自然な文章にします。
私は+カナダ出身です+友達がいる→私はカナダ出身の友達がいます。
次の文を訳してみましょう。主語が先行詞になっているタイプですが、考え方は同じです。
The train which goes to Tokyo hasn’t come yet.
関係代名詞の節に( )をつけます。先行詞はthe trainです。
The train (which goes to Tokyo) hasn’t come yet.
「その電車がまだ来ない」という文の中に、「(東京に行く)」という文を入れます。先行詞the trainを訳す直前、つまり「電車」の直前に( )内の文を入れます。
東京に行く+その電車がまだ来ない→東京に行く電車がまだ来ない。
関係代名詞(主格)の英作文
あれは父によって作られた机です。
上の日本語では主語が「あれは」、述語が「机です」になります。→ここだけ英文にするとThat is a desk.になりますね。
「机」を修飾しているのが「父によって作られた」の部分で、関係代名詞の節になる部分です。机(a desk)が先行詞になるので、a deskの直後に関係代名詞which(またはthat)を使って「父によって作られた」にあたる英文を入れます。
That is a desk which was made by my father.
次の日本語も英文にしてみましょう。
向こうでサッカーをしている少年はヨシキです。
上の日本語では主語が「少年は」、述語が「ヨシキです」になります。→ここだけ英文にするとThe boy is Yoshiki.になりますね。
「少年」を修飾しているのが「向こうでサッカーをしている」の部分で、関係代名詞の節になる部分です。少年(the boy)が先行詞になるので、the boyの直後に関係代名詞who(またはthat)を使って「向こうでサッカーをしている」にあたる英文を入れます。
The boy who is playing soccer over there is Yoshiki.
関係代名詞の節は先行詞の直後に入れるのがポイントです。
関係代名詞【目的格】
This is a desk which my grandfather made.(これは祖父が作った机です。)
The man that I saw yesterday is Ken’s father.(私が昨日会ったその男性はケンの父親だ。)
目的格の関係代名詞ではwhich, that(※)が使われ、関係代名詞の後は主語+動詞が続きます。関係代名詞の節(太字の部分)が先行詞(赤字の部分)を修飾してます。whichは先行詞が物・動物のとき、thatは人、もの、動物のときに使われます。
※人が先行詞のときwhomが使われることがあります。
例 The boy whom I talked with yesterday is Ken’s brother.(私が昨日話した少年はケンの弟だ。)
目的格の関係代名詞は省略可能です。
This is a desk my grandfather made.
The man that I saw yesterday is Ken’s father.
関係代名詞を使って2文を1文にする
This is a desk.(これは机です。)…(1)
My grandfather made it.(私の祖父がそれを作った。)…(2)
上の2つの英文を関係代名詞を使って1つの文にします。
(1)のa deskと(2)のitは同じ人を指し、a deskが先行詞になります。
itを消去して先行詞の直後に関係代名詞which(またはthat)を使ってから、(2)の文を入れます。
This is a desk which my grandfather made.(これは祖父が作った机です。)
(This is a desk which my grandfather made it.は間違い)
次の2文も関係代名詞を使って1つの文にしてみましょう。
The girl is kind.(その少女は親切だ。)…(1)
Hiroshi likes her.(ヒロシは彼女が好きだ。)…(2)
(1)のThe girlと(2)のherは同じ人を指し、The girlが先行詞になります。先行詞の直後に関係代名詞that+(2)の文(herは消去)を使い、1つの文にまとめます。
The girl that Hiroshi likes is kind.
「The girl that Hiroshi likes her is kind.」や「The girl her is kind that Hiroshi likes.」とするのは誤りです。先行詞the girlとherは同じ人を指しているのでherは省略、関係代名詞の節は先行詞の直後に置くようにします。
なお上の文は、
The girl whom Hiroshi likes is kind.
The girl Hiroshi likes is kind.
と書いてもOKです。
関係代名詞(目的格)の訳し方
Those are photos which Ken took.
この文を日本語に訳してみます。この英文の関係代名詞はwhich、先行詞はphotosです。
まず関係代名詞の節に( )をつけます。
Those are photos (which Ken took).
( )以外の文を訳すと「それらは写真です」になります。
( )内を訳すと「ケンが撮りました」になります。
先行詞がphotos(写真)なので、「それらは写真です」の「写真」の直前に「ケンが撮りました」を入れて自然な文章にします。
それらは+ケンが撮りました+写真です→それらはケンが撮った写真です。
次の文を訳してみましょう。主語が先行詞になっているタイプですが、考え方は同じです。
The movie which I saw yesterday was so exciting.
関係代名詞の節に( )をつけます。先行詞はThe movieです。
The movie (which I saw yesterday) was so exciting.
「その映画はとてもわくわくした」という文の中に、「(私が昨日見た)」という文を入れます。先行詞the movieを訳す直前、つまり「その映画」の直前に( )内の文を入れます。
私が昨日見た+その映画はとてもわくわくした→私が昨日見たその映画は、とてもわくわくした。
which(that)が省略されているタイプも、同様に考えれば訳せます。
関係代名詞(目的格)の英作文
佐藤先生はみんなが好きな先生です。
上の日本語では主語が「佐藤先生は」、述語が「先生です」になります。→ここだけ英文にするとMr.Sato is a teacher.になりますね。
「先生」を修飾しているのが「みんなが好きな」の部分で、関係代名詞の節になる部分です。先生(a teacher)が先行詞になるので、a teacherの直後に関係代名詞that(またはwhom)を使って「everyone likes(みんなが好き)」という英文を入れます。
Mr.Sato is a teacher that everyone likes.
※上の文でthatは省略可能です。
次の日本語も英文にしてみましょう。
母が焼いたケーキはおいしかった。
上の日本語では主語が「ケーキは」、述語が「おいしかった」になります。→ここだけ英文にするとThe cake was delicious.になりますね。
「ケーキ」を修飾しているのが「母が焼いた」の部分で、関係代名詞の節になる部分です。ケーキ(the cake)が先行詞になるので、the cakeの直後に関係代名詞which(またはthat)を使って「my mother baked(母が焼いた)」という英文を入れます。
The cake which my mother baked was delicious.
※which(that)を省略しても構いません。
関係代名詞の節は目的格でも先行詞の直後に入れるのがポイントです。
関係代名詞 主格と目的格の見分け方
英文を比較すると主格と目的格の違いがわかりやすいです。
主格の関係代名詞 | 目的格の関係代名詞 |
I have a friend who lives in Osaka. | The girl that Hiroshi likes is kind. |
目的格では関係代名詞の直後に主語が入ります。
主格の関係代名詞→who/which/that+動詞~
目的格の関係代名詞→which/that(/whom)+主語+動詞~
※ここでは学習していない所有格の関係代名詞でも、主語(名詞)が関係代名詞の直後に入ります。
主格・目的格がわかれば次の( )に適切な関係代名詞を入れられます。
(1) He has a brother ( ) is a soccer player.
(2) The girl( )Hiroshi likes is kind.
(1)は( )の後に主語がないので主格、whoあるいはthatが入ります。
(2)は( )の後に主語があるので目的格、thatあるいはwhomが入ります。
【補足 日本文から主格・目的格の見分け方は?】
(ここは読み飛ばして【問題編】に進んでOKです。)
日本語から英語にするときの判断は難しいですが、主語+述語のセットを2つ作る場合目的格になると考えられます。
主格の関係代名詞を作る | 目的格の関係代名詞を作る |
向こうでサッカーをしている少年はサトシです。
→向こうでサッカーをしている+少年は(主語)サトシです(述語) 私は大阪に住んでいる友人がいます。 →私は(主語)います[持っています](述語)+大阪に住んでいる友人が |
ヒロシが好きなその少女は親切です。
→ヒロシが(主語)好き(述語)+その少女は(主語)親切です(述語) 私は友達がくれた本を読んだ。 →私は(主語)読んだ(述語)+友達が(主語)くれた(述語) |
「友人がいます」は日本語では主語・述語になるので、この考え方だけだと無理があります。また一つの日本語の文から主格・目的格のどちらの関係代名詞を使っても、英文を作ることができる場合もあります。
日本語の文を見ただけで主格・目的格をすぐに判断できるとは限りません。英語で分けながら先行詞が主語なら主格、目的語なら目的格になると考えられるようにするのが良いでしょう。
【問題編】関係代名詞(主格・目的格)
1. 次の2つの文を関係代名詞を使って1つの文にしなさい。ただしthatは使ってはいけません。
問1 Ms. Takahashi is a teacher. / She is liked by everyone.
問2 I was looking for the watch. / I lost it.
問3 The boy is Tom. / He is playing soccer.
2. 次の英文を日本語に訳しなさい。
問1 I have never seen pictures which was painted by Ken.
問2 The girl who wears a yukata is Kumi.
問3 The boy that I met was tall.
問4 The baby we saw was cute.
3. 次の文を英文にしなさい。ただしthatは使ってはいけません。
問1 君がくれた本はおもしろかった。
問2 公園で走っている女の子はユミです。
問3 英語は私が一番好きな科目です。
まとめ
関係代名詞の主格・目的格、日本語の訳し方や文の作り方についてわかりましたでしょうか。主格・目的格で適切な関係代名詞を選ぶことがまず重要です。
先行詞 | 人 | もの | 人、もの |
主格 | who | which | that |
目的格 | (whom) | which | that |
・関係代名詞を使った英文を作るコツ→先行詞の直後に関係代名詞の節(先行詞を修飾する文)を入れる。
The train which goes to Tokyo hasn’t come yet.
This is a desk which my grandfather made.
・関係代名詞を使った英文を訳すコツ→先行詞を訳す直前に関係代名詞の節(修飾している文)を訳す。
The train which goes to Tokyo hasn’t come yet.(東京に行く電車はまだ来ていない。)
This is a desk which my grandfather made.(これは私の祖父が作った机です。)
関係代名詞を作るには先行詞がどれなのかを見極めることがとても重要になります。文の構造を理解しながら和訳と英作文どちらもできるようにしましょう。