今回は基本の5文型、各文型の例文と見分け方についてまとめました。
文の要素とは何か、5文型の違いと例文について、第1文型と第2文型、第2文型と第3文型、第1文型と第3文型、第4文型と第5文型の違いと見分け方のポイント、第4文型から第3文型の書き換えなどを見ていきます。
確認問題で文型の違いが理解できたか確認してみましょう。
5文型の考え方と例文
英語には文の要素の組み合わせが異なる、基本の文型が5つあります。
文の要素とは
文型に関わる文の要素には、主語 (S)、動詞 (V)、補語 (C)、目的語 (O)があります。
主語(Subject)「~が」「~は」に当たる部分(名詞、二語以上・不定詞・動名詞など)
動詞 (Verb)「~する」「~だ」に当たる部分(動詞)
補語 (Complement)「~だ」の「~」に当たる部分(名詞、形容詞)、主語や目的語を説明
目的語 (Object)「~に」「~を」に当たる部分(名詞)、動詞を修飾
文型に直接関係のなり修飾語(M)もあります。
修飾語(Modifier)文の要素や文全体を修飾する部分(前置詞+名詞、副詞、時、場所を表す語句※など)
※ 動詞に直接かかる場合は目的語扱いになるなど、例外もあります。
第1文型(SV)
第1文型は「主語 (S)+動詞 (V)」の文型です。動詞には(完全)自動詞、be動詞が使われます。
例文
・He lay on the sofa.[S=He, V=lay](彼はソファーに横たわった。)
・There is a cat under the table.[S=a cat, V=is](テーブルの下に猫が一匹いる。)
第2文型(SVC)
第2文型は「主語 (S)+動詞 (V)+補語 (C)」の文型で、S=C の関係が成り立ちます。動詞には be動詞や become, get, look, turn, keep などの(不完全)自動詞が使われます。
例文
・He is a music teacher.[S=He, V=is, C=a music teacher](彼は音楽の先生です。)
・He got sick.[S=He, V=got, C=sick](彼は病気になった。)
・I turned 20 years old.[S=I, V=turned, C=20 years old](私は20歳になりました。)
第3文型(SVO)
第3文型は「主語 (S)+動詞 (V)+目的語 (O)」の文型です。動詞には目的語をとる(完全)他動詞が使われます。
例文
・He has plenty of money.[S=He, V=has, O=plenty of money](彼は十分なお金がある。)
・I helped him with his assignment.[S=I, V=help, O=him](私は彼の課題を手伝った。)
第4文型(SVOO)
第4文型は「主語 (S)+動詞 (V)+目的語 (O)+目的語 (O)」の文型です。目的語は間接目的語 (IO) 、直接目的語(DO)の順になります。(間接目的語は人、直接目的語は物になることが多いです。)
例文
・My father showed me the picture.[S=My father, V=showed, IO=me, DO=the picture](私の父が私にその写真を見せてくれました。)
・I gave her an engagement ring.[S=I, V=gave, IO=her, DO=an engagement ring](私は彼女に婚約指輪をあげました。)
第5文型(SVOC)
第5文型は「主語 (S)+動詞 (V)+目的語 (O)+補語 (C)」の文型です。目的語 (O) =補語 (C) の関係があります。
例文
・We call him Toshi.[S=We, V=call, O=him, C=Toshi](私たちは彼をトシと呼びます。)
・The news made me happy.[S=The news, V=made, O=me, C=happy](その知らせは私をうれしくしま9した。)
5文型の見分け方
異なる文型の例文を比べながら、文型の見分け方を確認していきます。
第1文型と第2文型の違い
下の3つの文を見比べてみましょう。
1. The boy stands by the door.(その少年はドアに立っている。)
2. The boy is Ken.(その少年はケンです。)
3. The boy standing by the door is Ken.(ドアのところに立っているその少年がケンです。)
1の文は主語、動詞のあと、前置詞 by で始まる修飾語になっています。[S=The boy, V=stands (M=by the door)]これは第1文型です。
第1、第2文型の区別は、動詞の前後で判断します。第2文型ならS=Cの関係が成り立ちます。
1の文は「The boy≠by the door」ですが、前置詞 by で始まる修飾語になっています。[S=The boy, V=stands (M=by the door)]これは第1文型(SV)です。
2・3の文は「The boy (standing by the door)=Ken」になっているので、第2文型(SVC)と考えられます。
第2文型と第3文型の違い
第2文型と第3文型の違いも動詞の前後を見て、S=Cの関係が成り立つかどうかで見分けることができます。
1. I got sick.(私は病気になった。)
2. I got a fever.(私は熱を出した。)
1の文は「I=sick」で第2文型(SVC)になります。2の文は「I≠a sip」であり、a sip は動詞を修飾しているので第3文型(SVO)です。
第1文型と第3文型の違い
第1文型と第3文型では、動詞が完全自動詞か他動詞か、目的語があるかどうかで見分けることができます。
1. He lay on the sofa.(彼はソファーに横たわりました。)
2. He laid himself on the sofa.(彼はソファーに体を横たえました。)
1の文は目的語不要な完全自動詞「lay(lie[横たわる]の過去形)」が使われているので、第1文型(SV)になります。2の文は他動詞の「laid(lay[横たえる]の過去形)」が使われているので、第3文型(SVO)になります。
lie(横になる)過去形 lay/過去分詞 lain
lay(~を横たえる)過去形 laid/過去分詞 laid
第4文型と第5文型の違い
第4文型、第5文型は修飾語句(M)を除けば4つの文の要素から成り立ちます。動詞の後の2つの要素が=の関係になっているか(C=Oの関係が成り立つか)で第5文型かどうかが見分けられます。
1. My mother made me a doll. (母が私に人形を作ってくれました。)
2. My mother made me happy. (母が私を幸せにしました。)
3. My mother made me what I am today.(母が今日の自分に育ててくれました。)
1の文は「me≠a doll」で me と a doll どちらの要素も動詞を修飾しているので第4文型(SVOO)です。さらに第4文型である1の文は、第3文型に書き換え可能です(My mother made a doll for me. )。
2の文は「me=happy」、3の文は「me=what I am today」の関係が成り立つので第5文型(SVOC)です。語順を変えて第3文型にすることはできません。
第3文型と第4文型の書き換え
第4文型は第3文型に書き換えが可能です。
主語+動詞+間接目的語+直接目的語(第4文型)
⇔ 主語+動詞+直接目的語+<to/ for>間接目的語(第3文型)
間接目的語は人、直接目的語は物のことが多いです、間接目的語を後回しにする場合、つまり第3文型にするときは、to や for の前置詞が必要となります。
to を使う動詞… give, teach, tell, show, lend など相手がいること前提の動詞
for を使う動詞… buy, cook, make, sing, call(人のために~を呼ぶ)
※singはtoを使うこともあります。
書き換えの例
・He showed me the picture.
= He showed the picture to me.
・I cooked my brother breakfast.
= I cooked breakfast for my brother.
【問題編】5文型の見分け方・書き換え
問1 次の英文は第1文型~第5文型のどれになるか、答えましょう。(答えは▶をクリック)
(1) There were a lot of people in the park today.
(2) He laid himself on the sofa.
(3) He lay on the sofa.
(4) My mother made a doll.
(5) My mother made me a doll.
(6) My mother made me happy.
(7) I called him a taxi.
(8) I called him George.
問2 次の英文と同じ意味になるように、( )内に適切な英語を入れましょう。(答えは▶をクリック)
(1) My father showed me the picture.
= My father showed the picture( )me .
(2) He bought me a new watch.
= He bought a new watch( )me.
(3) Could you call me a taxi?
= Could you call a taxi( )me ?
まとめ
5文型の見分け方を例文とともに確認してきました。各基本文型のポイントを以下にまとめました。
・第1文型は「主語 (S)+動詞 (V)」
→ 動詞は完全自動詞、be動詞
・第2文型は「主語 (S)+動詞 (V)+補語 (C)」
→ S=C の関係、動詞はbe動詞・不完全自動詞(keep, get, turn, lookなど)
・第3文型は「主語 (S)+動詞 (V)+目的語 (O)」
→ 動詞は完全他動詞
・第4文型は「主語 (S)+動詞 (V)+目的語 (O)+目的語 (O)」
→ 第3文型に書き換え可能
・第5文型は「主語 (S)+動詞 (V)+目的語 (O)+補語 (C)」
→ O = C の関係