今回は時制の一致についてまとめました。時制の一致は主節と従属節の時制を一致させるものです。
時制の一致はどのようなときに起きるのか、また時制の一致を受けない、時制の一致の例外となるものにはどのようなものがあるのか、例文とともに確認していきます。
基本が理解できたか確認のための練習問題も準備しました。
時制の一致の基本と例文
時制の一致とは主節の動詞と従属節の動詞の時制を一致させるというルールです。特に主節が過去形になったときに起こります。(主節が現在形や未来時制のときは起こりません。)
具体的にどのように時制の一致が起きるのか、例文で確認してみましょう。主節が現在形の文と、時制の一致が起きる過去形の文を比較しています。
従属節が現在の例文
従属節の時制が主節の時制と同じタイプの例文です。従属節の時制も過去形になります。
- I know that he wants to be a baseball player.(彼が野球選手になりたいのを知っています。)
- I knew that he wanted to be a baseball player.【時制の一致】(彼が野球選手になりたいのを知っていました。)
主節が過去形(knew)なので、従属節の動詞も過去形(wanted)になっています。be動詞でも同様です。
- I know that he is innocent.(私は彼が無罪だとわかっている。)
- I knew that he was innocent.【時制の一致】(私は彼が無罪だとわかっていた。)
従属節が過去の例文
従属節の時制が主節の時制より過去のことを述べているときの例文です。従属節は過去完了形が使われます。
- She says that she liked me.(彼女は僕のことを好きだったと言っている。)
- She said that she had liked me.【時制の一致】(彼女は僕のことが好きだったと言っていた。)
現在形の文では liked だったのが、下の文では時制の一致で had liked と過去完了形が使われています。
従属節が完了形の例文
従属節の時制が完了形になっているときの例文です。従属節では過去完了形が使われます。
- He says that he has visited Kyoto.(彼は京都を訪れたことがあると言っている。)
- He said that he had visited Kyoto.【時制の一致】(彼は京都を訪れたことがあると言っていた。)
主節が現在形の文では従属節で現在完了(has visited)が使われていますが、主節が過去形の文では時制の一致で過去完了(had visited)になっています。
助動詞がある従属節の例文
従属節に助動詞が用いられているときの例文です。従属節では助動詞の過去形が使われます。
例文
- I think he will come here on time.(彼は時間どおりに来ると思う。)
- I thought he would come here on time.(彼は時間どおりに来ると思っていた。)
時制の一致書き換えルール
【主語+know/think/say などの動詞 + that ~】の形のとき、時制の一致を受けると従属節「~」の動詞は次のようになります。
- 従属節が現在形 →【時制の一致】過去形
- 従属節が過去形 →【時制の一致】過去完了形
- 従属節が現在完了形 →【時制の一致】過去完了形
- 従属節で助動詞 →【時制の一致】助動詞の過去形
時制の一致の例外
時制の一致を受けないものに、不変の真理、ことわざ、現在の習慣、歴史的事実、仮定法などがあります。例外となるタイプを例文とともに見ていきます。
一般的な真理
一般的な真理、例えば計算の結果、星が自転や公転をしていること、光や音の速さなどが従属節で使われるとき、主節が過去形でも時制の一致を受けません。
- We learned that the earth goes around the sun.(私たちは太陽が地球の周りを回っていると習いました。)
主節が過去形(learned)になっていますが、従属節では現在形(goes)が使われています。
ことわざ
ことわざが従属節で使われるとき、主節が過去形でも時制の一致を受けません。
・He said that seeing is believing.(彼は百聞は一見にしかず、と言った。)
現在の習慣
現在の習慣(日頃の習慣)が従属節で使われるとき、主節が過去形でも時制の一致を受けません。
- He said that he gets up at 5:00 to make a lunchbox.(彼はお弁当を作るために5時に起きると言っていた。)
歴史上の事実
主節が過去形でも歴史上の事実は過去形のままになります。
- I learned that America declared independence from Great Britain in 1776.(アメリカは1776年にイギリスからの独立宣言を出したと習いました。)
時制の一致を受けると過去のことは従属節では過去完了が使われますが、歴史上の事実では過去形が使われます。
仮定法
仮定法も時制の一致の例外になります。
- She speaks as if she knew the criminal.(彼女は犯人が誰だか知っているかのように話す。)
- She spoke as if she knew the criminal.(彼女は犯人が誰だか知っているかのように話した。)
主節が過去形だからといって、仮定法過去をさらに過去完了にする必要はありません。主節の時制より前のことを述べるとき(あたかも~であったかのように)は仮定法過去完了になります。
時制の一致 練習問題
問 次の日本語の文に合うように、[ ]内に適切な英語を入れなさい。ただし[ ]内の英語は1語とは限りません。
(1) 私は彼が無罪だとわかっていました。
I knew that he[ ]innocent.
(2) 私は彼が野球選手になりたいのを知っていました。
I knew that he[ ]to be a baseball player.
(3) 彼女は僕のことを好きだったと言っている。
She says that she[ ]me.
(4) 彼女は僕のことが好きだったと言っていた。
She said that she[ ]me.
(5) 彼は京都を訪れたことがあると言っていました。
He said that he[ ]Kyoto.
(6) 私は彼が日本語を話せると思っていました。
I thought he[ ]Japanese.
(7) 私たちは太陽が地球の周りを回っていると習いました。
We learned that the earth[ ]around the sun.
(8) アメリカは1776年にイギリスからの独立宣言を出したと習いました。
I learned that America[ ]independence from Great Britain in 1776.(declare 宣言する)
(9) 彼はお弁当を作るためにたいてい5時に起きると言っていた。
He said that he usually[ ]up at 5:00 to make a lunchbox.
(10) 彼女はあたかも犯人が誰だか知っているかのように話した。
She spoke as if she[ ]the criminal.
まとめ
時制の一致の基本的なルールと例外についてまとめました。
時制の一致の基本ルール
- 従属節が現在形なら過去形
- 従属節が過去形なら過去完了形
- 従属節が現在完了形なら過去完了形
- 従属節で助動詞が使われていれば助動詞の過去形
時制の一致の例外
- 一般的な真理、ことわざ、現在の習慣は現在形のまま
- 歴史上の事実は過去形のまま
- 仮定法は仮定法のルールに合わせる
英語の時制は日本語の感覚とは異なる部分もあります。文を作るときに気をつけましょう。