if を使わずに仮定法を作る方法はいろいろあります。倒置、主語(名詞句)、前置詞、副詞、不定詞、分詞構文などを用いて仮定法になるものがあります。今回はそれらの if 節のない仮定法を学習、問題にもチャレンジします。
if を使わない仮定法 解説と例文
if を使わなくても、仮定法を作る方法は多くあります。if 節がないと「仮定法」と気づきにくいことがあります。誤った訳をしないように、if を使わない仮定法のパターンを覚えておきましょう。
倒置による仮定法
if を用いずに「動詞・助動詞の過去形+主語 (+動詞の原形) ~」「Had + 主語+ 過去分詞~」と倒置のみで、「~(だった)なら…だろうに」という仮定法を作ることができます。文語的な表現です。
・Were I a bird, I would fly to you.
(= If I were a bird, I would fly to you. もし私が鳥だったらあなたのところまで飛んでゆくのに。)
・Should you have any question, please ask me.
(= If you should have any question, please ask me. もしご質問がありましたら、私に聞いてください。)
・Had I arrived at the station earlier, I could have caught the last train.
(= If I had arrived at the station earlier, I could have caught the last train. もっと早く駅に着いていたら、終電に間に合っただろうに。)
if 節に should のある仮定法は「万一~だったら」という意味になります。
主語が仮定になる仮定法
主語自体が仮定の意味になる仮定法で、「主語+助動詞の過去形(would, could,mightなど)~」の形になります。一見普通の文に見えますが、助動詞の過去形が使われていることから仮定法だととらえられます。
・This hotel would be pretty.
(このホテルならきれいだろう。)
・The doctor could cure you of your disease.
(その医者ならあなたの病気を治せるだろう。)
前置詞・副詞(句)による仮定法
with(~があれば)、without/but for(~がなければ)、supposing [that] (~だとしたら)、otherwise(さもなければ)、~years ago(~年前なら)などと助動詞の過去形(would, could,mightなど)を用いて、仮定法の英文を作ることができます。
・With his help, The project would succeed.
(彼の助けがあれば、プロジェクトは成功していただろうに。)
・Without your support (= But for your help ), I would have failed the exam.
(あなたのサポートがなければ、私は試験に落ちただろう。)
・Supposing it were true, what would you do?
(もしそれが本当だとしたら、あなたはどうしますか。)
・I started at once; otherwise I couldn’t have caught the bus.
(私はすぐに出発した。さもなければ、バスに間に合わなかっただろう。)
・A hundred year ago, no one could have believed such a thing.
(100年前だったら、だれもそんなことを信じなかったろう。)
Without / But for ~ は If it were not for ~ と言い換えることができます。
- Without your support (= But for your help ), I would have failed the exam.
→ If it were not for your support, I would have failed the exam.
otherwiseは文末や文中に使うこともあります。
不定詞を使った仮定法
不定詞が if 節の代わりをして仮定法の英文を作ることがあります。
・To hear him sing, you would take him for a professional singer.
(彼が歌うのを聞いたら、あなたは彼をプロの歌手だと思うだろう。)
・ I would have been happy to see him at the party.
(パーティーで彼に会えたら、うれしかったのですが。)
分詞構文を使った仮定法
分詞構文の節を仮定にした、仮定法の表現があります。wouldなどの助動詞の過去形が使われています。
・Born in better times, he would be popular with girls.
(もっと良い時代に生まれていたら、彼は女の子にモテただろうに。)
願望・祈願を表す仮定法現在
仮定法現在の倒置文(動詞は原形)で願望・祈願を表す表現があります。慣用的かつ文語的な表現です。
・God bless you!(神のご加護があらんことを!)
・Long live the Queen!(女王万歳!)
Mayを文頭に使うこともあります。
・May God bless you!(神のご加護があらんことを!)
【問題編】if を使わない仮定法
問1 次の英文が同じ意味になるように、( )内に適切な英語を入れなさい。
(1) If I were you, I would buy it.
=( )( )you, I would buy it.
(2) If you had got up early, you wouldn’t have been late.
=( )( )( )up early, you wouldn’t have been late.
(3) If it were not for your support, our plan would have failed.
= ( )your support, our plan would have failed.
(4) If you were a true friend, you would help me.
= A( )( )( )help me.
(5) I left at once; otherwise I would have missed the train.
= If I( )( )at once, I would have missed the train.
問2 次の日本文に合うように、( )内に適切な英語を入れなさい。
(1) 彼女が英語を話すのを聞いたら、あなたは彼女をネイティブだと思うでしょう。
( )( )her talk English, you ( )take her for a native.
(2) もっと良い時代に生まれていたら、彼は偉大な画家と見なされたろうに。
( )in better times, he ( )( )( )considered a great painter.
(3) 彼の助けがなかったら、僕はレポートを終えられなかったろう。
( )( )his help, I( )( )( )the report.
(4) 女王陛下万歳!
Long( )the Queen!
まとめ
if を使わない仮定法を見てきましたがいかがでしたでしょうか。
倒置や前置詞、接続詞、~ago、不定詞、分詞構文などを使っても、仮定法の英文を作ることができるんですね。中には主語自体が if 節の代わりになるものもありました。
いろいろな仮定法の表現を覚えるとともに、助動詞(would, could, might, shouldなど)やwereが使われていることから、仮定法の文かそうでないかを見極められるようにしましょう。