今回は過去の習慣、状態を表す助動詞 used to について学習します。
used to の否定文、疑問文の作り方、意味と例文、would や 形容詞の used to(~に慣れている)との意味・用法の違いについても確認します。
助動詞 used to の発音・意味・例文
助動詞 used to の発音、意味・使い方について確認します。
used to の発音
used to で【ユースタ】と発音します。
助動詞、形容詞「慣れている」の used は、ユーズドではなく、【ユース(ト)】と発音します。
【ユーズド】と発音するとは形容詞「中古の、汚れた」の意味になります。
used to の意味と使い方
助動詞 used は【to + 動詞の原形】とともに使い、「~したものだった」という過去の継続的習慣、「以前は~であった」という過去の状態を表します。
(例) I used to play baseball when I was a child.(子供の頃よく野球をしたものだった。)
※ かつての習慣・事実・状態を表す used to のあとは動詞の原形になります。
used to の否定文・疑問文の作り方
used to の否定文や疑問文は、一般動詞扱いで didn’t や did が使われます。普通の助動詞と同様、否定文では used の後に not を、疑問文では used を主語の前に置くこともあります。
- 否定文「didn’t use(d) to + 動詞の原形 / used not【usedn’t】 to + 動詞の原形」
- 疑問文「Did 主語 use(d) to + 動詞の原形 ~? / Used 主語 to + 動詞の原形 ~?」
use to の例文1.(かつて)~したものだ
- He used to play drums when I was in high school.(彼は高校生のとき、よくドラムを叩いていたものだ。)
- Did you use(d) to jog? / Used you to jog?(以前はよくジョギングしてたの?)
- She didn’t use(d) to drink alcohol. / She used not [usedn’t] to drink alcohol.(彼女は以前お酒を飲む習慣はなかった。)
use to の例文2.(かつて)~だった
used to は「かつてはそうだったけれども、今は違う」という意味も表します。
- I used to like him.(私はかつて彼が好きだった。)
- There used to be a big tree in front of my house.(かつて家の前に1本の大きな木があった。)
- He isn’t as honest as he used to be.(彼は以前ほど誠実ではなくなった。)
助動詞 used to と would、形容詞 used との違い
助動詞 would と、形容詞の used (to) の違いについて確認します。
would との違い
used to も would も過去の習慣を表しますが、used to は長期的習慣で今はやっていないことを示唆するのに対し、would はよく often を伴い、短期的な習慣で現在のことは示唆していません。
- She used to play tennis with her brother.
(彼女は以前はよく弟とテニスをしたものだった。→ 今はしていない) - She would often play tennis with her brother.
(彼女はよく弟とテニスをしたものだった。→ 今はわからない)
また would では「以前は~だった」という状態を表すことはできません。
- There used to be a temple around here.(かつてこのあたりにお寺があった。)
- There would be a temple around here.(×)
be used to との違い
be used to「~に慣れている」では to の後に名詞か動名詞が置かれます。
- be used to 名詞・動名詞「~に慣れている」
- used to 動詞の原形「かつて~したものだ、以前~だった」
※「慣れている」の used は形容詞なので、be動詞が必要です。
両者の違いを例文でも確認します。
-
- I‘m used to being alone.
(私は一人でいることに慣れている。→ 現在の状況)
- I‘m used to being alone.
-
- I used to be alone.
(私はかつて一人ぼっちだった。→ 以前の状況、今は違う)
- I used to be alone.
【問題編】助動詞 used to の使い方
問 次の日本語の文に合うように、( )内に適切な英語を入れなさい。
(1) 彼は高校生のとき、よくドラムを叩いていたものだ。
He ( )( )( )drums when I was in high school.
(2) 以前はよくギターを弾いていたの?
( )you used( )play the guitar?
(3) 彼女は以前はお酒を飲まなかった。
She( )used( )drink alcohol.
(4) かつて家の近くにお寺があった。
( )( )( )( )a temple near my house.
(5) 彼女はもう以前の彼女ではない。
She is not what she( )( )( ).
(6) 彼は人前で話すことに慣れている。
He ( )( )( )( )in public.
まとめ
助動詞 used は 「used to 動詞の原形」の形で、「かつて~したものだ、~だった」という過去の習慣や状態を表します。would も過去の習慣を表しますが、used to は「現在は違う」ことも示すという違いがあります。
used to の否定文、疑問文は 一般動詞扱いで did を用いるか、否定文では used not [usedn’t]、疑問文では Used を主語の前に置きます。
また形容詞の be used to(~に慣れている)では、toの後は名詞(動名詞)になるという違いがあることも覚えておきましょう。